2009年5月29日金曜日

GMの異常さと米国のワガママさ

 ウォール・ストリート・ジャーナルは、経営危機米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)に対し、オバマが、破産法適用を6月1日に申請と報じた。

 昨夜11時頃からロイターなどでは報じていたし、リアルタイムで私でもこの情報に接することができた。株の掲示板では11時に論議が始まっていた。すごいスピードだ。

 申請すれば、クライスラーに続き、米ビッグスリー(3大自動車メーカー)のうち2社が破産、異常事態。
 資産ベースは、米製造業過去最大規模の倒産。自動車業界、米景気、金融に影響を及ぼす。
 GMは過剰債務をなくすがそこで大損する投資家がある。それがねらい。そして、新しい株を発行.
72.5%を米国が持つという。
 栃木県の足銀と同じだ。ひどい倒産だった。さんざん株を発行し、増資して素人に買わせ最後に株券を単なる紙にした。得したのは、足銀経営陣と借りて踏み倒した大手法人だけ。足銀ファイナンスなんていうのは、足銀の幹部の天下り先だったし、完全な高利貸しだった。そこの債務も帳消しにした。
 しかし、足銀がその後やったのは徹底した合理化だった。社員の給与はかなり下げた。

 GMは足銀のようには行かない。国が大株主として大企業の経営者になり、保護主義を前面に出し、つまらない車をたくさん作って高く売る。他国を閉め出す国家資本主義だ。米国しか許されない暴挙だ。ドルは早々と基軸通貨の座を降りるかも知れない。
 とりあえず軍事的な背景を持っているし、ジャーナリズムと研究は一番だが、金融が崩れすぎた。

 私は真の意味でGMをつぶさない今回の破産法適用は、結局延命措置をしているに過ぎないと思う。延命措置のために政府の多大な浪費が行われる。インフレも懸念される。なによりドルの価値が下がるだろう。
 もう数年前から、毎年3兆円もの営業赤字を垂れ流してきて、債務超過になって4年目?
 こんなことがあっていいはずはない。

 ところが、ところが、今朝方からこんな事件にふれても、今日の東京市場は引けにかけて上げた。ドルは強い。97ドル台。今の景気が底を打って上昇基調になったという、政府や経団連、トヨタ自動車会長社長のリップサービス、願望を鵜呑みしているとしか思えぬ。こんなことがあっていいのか。不思議でならない。
 私は1ドル90円目指して落ちると踏んできたが、この1か月の予想は外れっぱなし。

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