2009年5月24日日曜日

GMとクライスラーの処理

 クライスラーは破産処理中。GMは6月始めに決まるらしい。
GMも破産させたほうが、米経済、世界経済によい。
GMの無担保債券が360億ドルあるのに、政府がつなぎで3千億ドル出しても、破綻は時間の問題。
オバマは自動車産業救済を宣言して大統領になった。処理が???思っていたら、うまい方法を適用したかに見える。
オバマ支援母体の自動車産業の労働組合、保険組合を株主にすることだった。全米自動車労連は既得権益も大きく、その力は大きい。

しかし、私は、クライスラーがやろうとしているやり方は成功しないと思う。会社への帰属意識が日本のように強くはないし、契約社会だから、社員は労働契約以外のことはやらないし、経営に労働組合が参加することなど文化的にうまくいかないだろう。
会社の役員になっている組合が、会社に対してストができるか?
実際、何年か前に破綻した米国スーパーマーケット?も組合を役員の一員にしてうまくいかなかた。経営者と労働者はいつも対立と契約の関係にあるのがこの国の姿。

米国経済は部分的にしか腐っていない。しかし、腐っているところに防腐剤を上塗りしても、早晩全体が腐る。腐った部分を早く切り取り、他を生かさねばならない。そこで損をするのは株主や投資ファンドだが、それはそこで被ってもらって(それが米国が進めてきた極端な市場任せの自由主義経済)、その分フォード車などが売れるのだからいつまでも莫大な資金を支援すべきではないと思う。

破綻すれば、米経済と雇用に影響が出る。GM破綻は、米GDP(国内総生産)を4%下げ失業率を1%上げるそうだ。米失業率は8%になるだろう。政治への批判も出る。しかし、破綻させなければ、税金を垂れ流すことになる。
破綻報道と、その後の雇用の悪化を受けて、リセッションはますます重く感じられるだろう。世界的に相当株価が下がる。そこが絶好の買い場になる。金融不安も再燃するだろう。いくつかの銀行は潰れるだろう。ますます買い場だ。
ここ2か月は、景気は底を打ったと、日米とも政府要人が言っている。しかし、実際の底はこれから来る。
住宅市場、消費者指数、ミシガン大学の予測、鉱工業指数、原油価格などをみると、少しずつ改善の兆しがある。最も重要なのは住宅市場だと思うが、これが底を打つと見られるGM破産を受けて、日本の輸出関連株は底を打って上昇する。

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