2010年1月31日日曜日

教育格差は経済格差のわずかな要因だ

 教育が最大の経済格差を生むというのが識者の評価だ。幼少時から塾に行ける、私立に通える家庭と、公立だけの経済力の差があるという。経済のグローバル化、企業の競争のための雇用形態の多様化、非正規雇用化、こうした新自由主義は、格差を助長したと言われる。それが教育に反映し、格差の世代世襲、固定につながるという。
 本当は教育格差のウエイトはそれほどではない。日本においては。義務教育も受けられない人々が多いわけではない。
 問題は意識変化。今の不安定就労者、無職者の中には、「政治が悪い、企業が悪い、官僚が悪い、世界経済が悪い、アメリカが悪い、中国が悪い」と言う人が多いように思う。
 テレビで中年男性が「希望する事務職の募集がない、職に就けない。政治が悪いからだ。金持ちの政治家に底辺の気持ちは分からない」と。希望する職種に就けないことは、当たり前だ。しかたない。
 石原都知事が「仕事を紹介してもやらないのだから甘い」と言って批判された。しかし、法学部を出たのに法律の仕事に就けないのは、国が悪いのではない。法学部卒が多すぎるからだ。職に就くためだけに大学に行くのではないはずだ。
 大学の教師になれなくて、高校教師になった者もある。講師を続けている月収15万の博士がある。急増されてきた大学院、供給される大学院卒業者、博士の数よりも、受ける皿がないのだから。大学院を出て臨床心理士の資格を取っても仕事がない。仕方ないだろう、心理系大学院が多すぎる。
 教育を受けても仕事は望み通りにはつけないというのが常なので、教育格差なんて、経済格差の大きな要因ではない。義務教育を受けられないというなら話は別だ。

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