2009年10月5日月曜日

ニコライ

「宣教師ニコライと明治日本」(岩波新書)を読んだ。
感想:
キリスト教は、東方教会と西方教会に分けるべきで、西方の中のカトリックとプロテスタント。カトリックは、東方教会に近く、プロテスタントのアングリカンとはさらに近い。伝統を重んじミサ重視は、カトリックもオーソドックスも同じだ。あちらの文化・伝統をそのまま入れようとしていたし、今でも変わらない。一方、日本文化は独特で強固だ。だから布教に於いてはじめから矛盾をはらんでいた。
宗教改革の前に分離したオーソドックスは、カトリックよりも普遍なのか。カトリックは宗教改革のあと、自ら改革をしたが、オーソドックスはその500年前に分離し、旧態を守ってきた。
ニコライは頑固。信仰一筋。伝統、秩序、ミサ典礼構成を重視した。亡くなったとき持ち物がほとんどなかったというのも素敵だ。ニコライのキリスト教を道徳や倫理、哲学と分けて考える姿勢に共感した。ニコライによるトルストイの道徳性やアングリカンに対する強烈な批判は、プロテスタンティズムが典礼よりも道徳ではいけないということだが、宗教というものの本質を突いている。
私はふと儒教は哲学か、倫理か、宗教か、風俗か。そんなことを考えた。

0 件のコメント: