2010年7月10日土曜日

国債の未来

過去にも国債によって国民から大金を集め、結局デフォルトにした。

大日本帝国政府発行、大東亜戦争 戦争割引国庫債券というのがあった。
これは2ヶ月に1回発行された。大変な集金だった。

たとえば、昭和18年8月20日発行、昭和28年10月7日償還、の国債は、
売出額35円、償還額50円である。年利3.631%にあたる。
35円で政府の国債を買い、10年後に50円で償還するというもの。年利は高金利だ。

ところが、この間、物価が125倍になった。米で考えてみよう。
昭和18年には、米1俵(60Kg)が18円42銭だった。国債額35円で、米が114Kg買えた。
償還の昭和28年には、米1俵3,280円になった。償還金50円では、915gしか買えない。

ハイパーインフレというのはこういうことだ。
政府がやることだから安心だというのは間違っている。歴史が証明している。徳政令も国がやったこと。
戦争のために国が国民から金を集めた。そして紙幣をたくさん印刷してハイパーインフレを起こし、国債の借金を帳消しにしてしまった。デフォルトしたわけだ。
デフォルトされた預金者や債権者は損をした。しかし、最も痛手を受けたのは資産も資金もない貧困層だった。彼らは1ヶ月の給与で米が数日分しか買えないインフレを受けたのだ。

先輩が言っていた。昭和24年、初任給で屋台で酒を1合のみ煙草を1箱買った。そしたら給与が無くなってしまったと。

今の財政状況では、そういう時代が来る。国債をデフォルトしなければ、やっていけなくなる。
税収37兆円、国債の金利10兆円。新たな国債の発行40兆円。国家予算90兆円。累積債務はGDP比200%で1,000兆円近い。先進国中最悪。

子ども手当どころではない。高速道路が無料かどうかのレベルじゃないのだ。
国家財政は、焦眉の急、喫緊の課題、薄氷上のダンス状態なのだ。いつ割れてもおかしくない。
国際入札未達、そのときが危機だ。
日本の国債は95%が国民が買っているから売られないと経済学者が言っている。大間違い。債権取引に空売りがあることを知らない。外国人は日本国債に、ここぞとばかり空売りをかけて儲ける。そのとき、金利が急上昇する。国債金利が5%になったら(25年くらい前には実際5%付けたことがあると思う)、利払いだけで50兆円かかる。税収は37兆円しかない。金利さえ払えない。残る道はインフレ。こんな状態で恐ろしくないのか。政治家はどうかしている。

120倍のハイパーインフレが来たら、タクシー初乗り運賃が5万円になる。米は30Kgで35万円だ。医者の初診料は7万円。子どもの修学旅行は120万円。

生活保護費よりも、まじめに働いた方が所得が低い日本だ。
国民は、増税と福祉削減、社会保障費抑制を訴える党に投票すべきだ。ところが、そんな党は一つもない。

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