2010年6月12日土曜日

こだわりこそ

河合隼雄「ユング心理学と仏教」を読む。おもしろい話。

禅僧二人が川を渡ろうとしている。美しい女性が川に入るのを躊躇する。一人の僧は、彼女を抱いて川を渡り切り女性を下ろし別れた。
女性を助けなかった僧が言う。
「僧としてあの若い女性を抱いてよかったのか。」
もう一人の僧が応える。
「俺はあの女性抱いて川を渡った。しかし、お前はまだあの女を抱いている。」

本当にこだわりのない、自由な心は後者。
~はこうであるべき、こう生きなければならない。そんな「ねばらぬ」こだわりに人は悩み苦しむ。
こだわりを一つ一つ捨てていって、段々自由になれたらいい。風のようにふらふらしながら、お任せして生きる生き方、そういう信仰があってもいいと思った。

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