2010年3月22日月曜日

渋沢栄一

日本の資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一について書を読む。

「現代の青年が、いま最も切実に必要としているのは、人格を磨くことだ。明治維新の前までは、社会における道徳教育が比較的盛んな状態だった。ところが西洋の文化を輸入するにつれ、思想界には少なからず変革の波が起こって、今日では、道徳がひどく混沌とする時代状況になってしまった。今日、儒教は古いとして退けられてしまったので、現代の青年たちには十分には理解されなくなっている。かといって、キリスト教が一般の道徳の規範になっているわけでは、なおさらない。また、明治時代になってから何か新しい道徳が生まれたわけでもない。だから思想界はまったくの混乱状態で、国民はどれを信じてよいのか判断に苦しんでいるくらいだ。このため一般の青年たちも、人格を磨くことを忘れ去っているように見える。これはとても憂うべき傾向である。」

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