株は、悪いニュースで下げたときが「買い」の場合がある。一方、悪いニュースでは、売れば損が確定しても更に下がる前にさっさと投げ売りしなければならないこともある。
その見極めは次の通り。
1 悪材料は、徹底的なものであり、これで最後のものなら買いである。この局面の株価は、それ以上下がらない。あとの材料は+に働く。
2 悪材料は、今後も出る可能性が高いなら売りである。この局面の株価は、単なる下げの途中に過ぎないからである。あやもどしで少し上げても、またさらなる悪材料で下げる。その時はあや戻しの買い玉が更に重しとなって上値を抑えるから一層上げにくくなる。
今のアメリカとそれに連動した日本やアジア株式は、上記では2である。
そのわけは、
1 12月の米雇用52万人減。失業率7.2%。前月より上がっている。年間ベースでは258万9000人減で第2次大戦中1945年(275万人)に次ぎ、戦後最大の減少となった。しかも、雇用者数、失業率ともに市場予測よりも悪かった。
2 米製造業10月の景況感指数、前月よりも下がっている。38.9となった。1982年9月以来、26年ぶりの低水準。好不況の判断の分かれ目は50であり、それを3カ月連続で割り込んだ。しかも、市場の事前予想(41.5程度)も大幅に下回った。
これらは、9月に急速にあらわになった金融危機が実体経済にも影響し、幅広い業種で景況感の悪化していることを示す。底値をいつ打つのか分からないところが更に怖い。項目別には「雇用」が34.6と前月比7.2ポイント低下。「生産」も34.1(6.7ポイント低下)。企業の生産や設備投資が一段と低迷していることが鮮明である。さらに、「輸出」は41.0と11.0ポイントの大幅低下。個人消費の失速を映し「輸入」も41。「価格」が37.0と16.5ポイント低下。米失業保険申請、26年ぶり高水準1週間の新規申請件数は季節調整済みで58万6000件。前週に比べ3万件増加。1982年11月下旬以来、約26年ぶりの高水準。個人消費を柱とするアメリカの内需低迷は必至。失業保険の受給者総数は437万人。
このようなわけで、私はとても今の低株価が「買い」だと思えない。今が底かも知れないが、今の「買い」は、丁半博打だ。まだまだ悪い材料が出続けると思う。そのたびに株価は落ちる。政策期待でやや戻す。また悪材料が出る。更に落ちる。そうなるのではないだろうか。オバマの就任前の今、80%という支持率の高さも良くない。就任して、期待通りに運ばなければ株価は急落するだろう。四方によい政策はできないのではないか。例えば、ビッグ3を救済する財政投入は、国家財政を悪化させる。ビッグ3を救済しなければ、膨大な支持基盤を失う。なにしろ労組が強い。労組はデモクラティク・パーティの巨大な支持。財政の投入に道があるならいいが、労働者の一部の生活を一時守るだけで、企業業績は回復せず無駄遣いになるだろう。
住宅価格を上げるしかないが、バブルで上がったものは、いいところで収斂する。それがどこなのか、分からないところに、問題の根の深さを思う。
私は今、全力で売りたい気分だが、株の世界は何が起こるか分からない。全力をかけて良いほどの自信もない。才能もない。だからちびちびと売りをかけているのだ。
トヨタ自動車、京セラ、大建工業など売っている。大建工業は月曜日、かなり下げるだろう。小型の住宅建築業は暴落するだろう。
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