2月末の発表でS&Pケースシラー住宅価格指数は、前年比ではマイナス18.5%と過去最大の落ち込み。
「S&Pケースシラー住宅価格指数」は、米国の一戸建て住宅の販売価格推移を指数化した指標で、2000年1月時点を100として指数化したもの。
3月末の今は、更に落ち込んで前年比20パーセントを超えた。そろそろ底だという評論家がいるが、私はまだだと思う。
根拠は、いわゆる世界恐慌。米国住宅価格は、1925年に高値を付けて暴落し、1933年までに5割に近くに下がった。それから上がり続けて今回の暴落となった。一度暴落すると、これだけ長期の上昇は簡単には取り戻せないだろう。下げが止まったとしてもそれは一時の踊り場で、価格が戻ったとしてもあや戻しでまた下げるだろう。4割くらいまで行かないとならないだろう。
いわゆるバイアメリカン、保護主義の台頭を最も恐れる私だ。ここにも書いてきた。ニュースによれば、先日オバマが米国自動車産業を守り、雇用を創出すると言い出した。危険な兆候だ。米国にとって、世界にとって。
日本のバブルは米国のバブルとは桁違いに小さかった。日本のバブル崩壊後、救ったのは米国個人消費だ。しかも借金しての消費だった。米国の住宅バブルは日本にも責任がある。
米国のバブル崩壊後の立て直しに為に、助けとなる国はない。中国だと雑誌に書いてあった。しかし、中国は人口は多いし、経済発展が落ちても6%あるというものの、現段階では国民が貧しくて米国の経済を立て直すほど米国産のものを消費できない。
ドルは政策的にも安くしなければ国がやっていけないだろう。また、国力がなかなか回復しないことから、実態としても安くなるだろう。ドル安によって国内企業の輸出を伸ばしたい。しかし、米国はドルが安くなると債権が返せない。膨大な債務がある国で、今度の財政出動で更に国債を売りたいが、ドル安では価値が目減りするし、買ってもらう条件が悪くなる。様々な問題があるが、オバマは強気で、精神的な債権株売り、パニックを防ごうとしているが、リップサービスには自ずから限界がある。
予想:
・シャープ、ソニー、トヨタ自動車、武田薬品、三井物産、日立製作所、三菱重工、などの膨大な資金がある日本企業が、米国の巨大企業に資本参加したらおもしろい。日米にとって良い。ただ、GMやAIGはだめだ。あれを買ったら借金で日本がやられるとおもう。普通の企業と借金の額が違う。
・日本がもつ外貨、ドルでいけば100兆円と言われる債権を日本は破棄することになるだろう。破棄は日本国民がゆるさないから、密約で支出することになるだろう。例えば、北朝鮮やソマリアがらみ防衛補助を金で米国に渡す、基地費用の水増し、イージス艦をもっと買う、日米企業の合併に巨額の支援をする、など体裁のいい債権放棄の方法はたくさんある。マーシャルプランは第2次大戦後の米国の政策だが、世界が米国に同様のプランを、しかも今の政治体制で国民が納得する(正確には誤魔化せる)方法で実施することになるだろう。
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