文学の博士未取得、博士課程満期退学者は、職がない。大学が財政危機で、臨時職員ばかりを雇い、1コマ2万円で講義をさせている。不安定なようだが、時給1万円は高額。研究も出来る。しかし、所得としては小学校教師のほうが高い。これはあたりまえの結果だ。あまりにも博士をつくりすぎた。博士課程を修了すると、ストレートで28才。だいたい30才。非常勤講師の年収は最高400万円。週11コマもあれば、非常勤講師の中でも恵まれているという。
1991年4月に中央教育審議会から「新しい時代に対応する教育の諸制度の改革について」(答申)が出され、2000年度まで大学院生を2倍にすると目標が掲げられた。大間違いだ。結果、1991年度博士課程修了者は6201人が、2009年度は1万6000人となった。文部科学省「学校基本調査」(2009年度)によると、博士課程修了者のうち、大学など教育機関や企業などへ就職した割合は64.3%。約4割の「博士」が就職できずにいる。就職者を職種別に見ると「教員」は25.0%、「科学研究者」は24.7%。
「大学非常勤講師の実態調査」(回答数1011人)によると、主に大学の非常勤講師を職業とする「専業非常勤講師」の平均値を見ると、年齢は45.3歳3.1校で勤務。年収は306万円、44%の人が年収250万円未満。
大学経営は厳しい。国立大学は毎年1%運営費交付金を削られ、人件費に手をつける。定年退職した教員の後任は補充せず、専任講師の講座は徐々に非常勤に置き換えた。非常勤の単価も3割カット。事務職は派遣社員。何のキャリアパスも用意されぬまま、大学院生が増え続けた結果が、高学歴ワーキングプアの増加。
文科省は、また間違いをおかしていると私は思う。2009年度の補正予算で「高度研究人材活用促進事業」を行い、ポスドクを採用した企業に対し1人500万円を支給した。ばからしい話だ。大学院卒を減らさなければ、解決しない。
研究者、そんなに増やしてどうするのか。何を研究するのか。
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