2010年7月15日木曜日

小さい頃から怖いこと2 虫

小学生の頃は生き物を飼うのが好きだった。いろいろな鳥たち、魚たち、蛇、ヤモリ、イモリ、蛙、ウサギ、カブトムシ、クワガタムシ、セミ、アリ、ミミズ、ゴキブリ、ムカデとエスカレートしていって、とうとうハエを飼い出した時は我慢していた親もあきれていた。大きな瓶の中のミミズに一匹ずつ名前を付けていた。今から思えばおかしな子だった。

蚊が自分の腕に止まった後、血を吸う様子を見ていたことがある。
私は、蚊の姿は、当時初めて見た羽田の飛行機にそっくりだと思っていた。その構造的に、蚊に対してちょっと尊敬の念をもっていた。ところが、あるとき恐ろしいことがおこった。

私は蚊をつぶした。ある観点からは飛行機以上に精密な蚊。
今まで生きていた蚊がいなくなった。さっきまで生きていた蚊の残骸は私の手の平にあるが、蚊の命はどこへ行ってしまったのか。
飛行機は命じゃない。生きていないからこわれても怖くない。しかし、命がなくなってしまったことに非常に理解できない怖さを感じた。小学校3年生くらいの出来事だ。

このころ、立て続けに曾祖母、祖父母が亡くなって、私は命というものに対する「わからなさ」におびえ、神経症的になっていった。ませた小学生だった。

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