26年前、北海道のトラピスト修道院に泊まった。トラピストは最も世間と隔絶している修道院だから、外からしか見られないはずだった。このころは、H神父様から1対1で指導を頂いていた。H神父様は、信者でもない私のためにはからってくださって、お陰で修道院内に泊めて頂くことができた。1月だった。
聖ベネディクトの「祈れ、働け」の精神の修道士さんたちにふれて、豊かな時間を過ごした。帰るときに、客室のステンドグラスの置物が美しいと申し上げたら、修道士さんは「持っていっていい」とおっしゃった。高価なものだろうから、私は遠慮した。祈りと、労働と、沈黙を生涯守る観想修道者の「物にこだわらないすごさ」を思った。
修道院の裏山を登った。「フランスのルルドよりも素晴らしい」と言われるルルドまで、腰までつかる雪をラッセルして登ったことがなつかしい。
眼下にまっ青な津軽海峡が広がっていた。
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