神神の微笑(芥川龍之介著)を読む。
芥川という天才は、まことにかわいそうだと思う。
あまりにも先が見えていた。
日本のキリスト教が日本の文化内で開花するように変革しないことには土着しないことを、大正期に予想していた。
「ぼんやりとした不安」という言葉を残し、自宅で自殺した。
それを批判する人は多いが、急にそうしたわけではなく、安易にしたわけではなく、そこまで内面的にそうとう苦しんだ末のことであったと思う。
芥川が死んだ時、奥さんは「お父さん、よかったですね」と語りかけた。
これも批判されるが、奥さんだけは芥川龍之介のつらさ、そこまで追いつめられて苦しんでいたことを分かっていたんだと思う。
亡くなる前数週間、薬でもうろうとしていたのだから。
キリストに影響された「西方の人」「続西方の人」が最後の作品だった。
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