世界で一番読まれている書物は、聖書。私にすれば、世界で一番積んでおかれた書物でもあると思うが。
世界で二番目に読まれた書物は、「キリストにならいて」(古い訳は 倣いて )
初版1473年。邦訳は最初が1596年というからすごいものだ。
修道生活について書かれたが、ひろくキリスト者(特にカトリック)にとって、信仰の内的生活を語る古典である。
著者トマス・ア・ケンピスは、トマス・アクイナスと同一人物と私は長く思っていた。
今日は、『キリストに倣いて』をつまみ読みした。
最近は、実にいろいろな書をつまみ読みしている。読んでいるものには、そういうことができる類のものが多い。どこから入ってもどこで辞めても可能なエッセイのようなもの。
力を込めて、正座して全巻一気に読む体力も能力も気力もない。
リビングのコタツに10冊くらい、寝床に20冊、手を伸ばして取って寝ころんで読むのが至福の時間。
第1章から3章は、修道生活について。第4章は、独特だ。ちょっと分からない。聖体についてのようだ。
新約聖書の共感福音書も、マタイ、マルコ、ルカまでは読みやすいが、ヨハネはよく分からない。
「キリストに倣いて」も、同じ感じだ。
ただ、第4章の格調の高さには驚かされる。
訳者の優れた日本語にもよるのだろう。訳者大澤章は、名著「丘の書」の著者で、語学にたけ、毎日ラテン語聖書を読むのを日課にしていたという。
トマス・ア・ケンピスは、14世紀ドイツの神秘主義者。92歳で没するまで71年間の修道生活を送ったという。
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