脱パニックか。悪材料に反応薄。
FRBが介入始め、米財務省は財政出動。米議会は企業救済に乗り出そうとしている。オバマは景気刺激策を準備中。市場は底打ち感か買いを見せている。これは、景気循環か、政府介入効果か。
私は、いずれでもないと思う。下落途中に出たフラットな単なる踊り場だ。そのわけは、次の通り。
ドルは急落しているが、バーナンキ議長は容認している。ドル安が恐慌回避に必要だと。しかし、米国の低金利と不況が長い場合、ドルはさらに低い水準まで落ち込む。ドル安と、米国個人消費低迷が続けば、対米経済依存度が高い国の経済が深刻な打撃を受ける。世界経済の問題だ。例えば、中国が巨額の景気刺激策のために米国の国債を売ったら大変なことだ。もともと、米国の債券市場はジャブジャブであり、ドルが強いからもっているようなものだ。これからも米国は他国に借金を続けたいだろう。しかし債権が落ちればそうならない可能性がある。
信用収縮が底打ったと私は思わない。金融市場、債券市場、株式市場すべて、今が底ではないと思う。まだ下落途中だ。
たしかに市場は以前ほど、悪材料に鈍感だが、長い目ではそれは間違っている。
11月、米国失業統計で新規失業者数が予想の2倍超。
ビッグスリー救済法案が事実上廃案になった際、先物が下落した。しかし、翌日の株式市場は小幅高で引け。
米モルガン・スタンレーが市場の予想をはるかに超える大赤字を計上したが、株価は値上がりした。
債権も格付けが高い。AAAが多い。格付けこそ問題で根拠のないものだし、今回のトラブルの原因の一つでさえあるのに。
日本も米国も累積財政赤字は重大だ。景気が今、底だと言っているのはあまりにもお粗末、長期的視野に欠けると言わなければならない。不景気はこれから始まるのだ。例えば、トヨタが今3000円近い株価で保っていることは異常だ。トヨタを空売りすれば利が乗るだろう。トヨタの売りに300万円投資すれば、来年5月には100万円取れるだろう。
トヨタがだめだというもう一つの理由は、副社長だった豊田氏が社長に就任したこと。彼は大株主でしかも創業家一族。能力で社長を選ばねばならない。
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