今朝の朝日新聞によれば、「親の経済力が子の学力を左右する」という。
福島県立の高等学校の入試偏差値と、高等学校の授業料免除率で比較したものだが、乱暴な結論だ。
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統計では、2つの変数の関係を相関係数で表現することがある。普通はピアソンの積率相関係数のことを言う。積率相関係数は変数が間隔尺度や比率尺度でなくてはならない。さらに、変数に関係がなくては使えない。
間違いじゃないか?その1
入試偏差値と、授業料免除率は使えない尺度ではないか。
間違いじゃないか?その2
二つの尺度が、相関係数に使える尺度だとしても、相関係数の値が大きい場合は「共変関係がある」というが、因果関係ではない。
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相関関係を因果関係であるかのような間違いは、報道のトピックにたくさん出てくる。教育や医療に多い。
この記事は、研究者の論文ではなく、福島県教委の開示データを朝日新聞社が検討したもの。
新聞記者には、統計推計学をちょっと勉強してから書いてくれと言いたい。
正しくは、次のように言うべきだ。
「親の経済力と子どもの学力は共変関係がある」
「左右する」のではない。